今年のバファローズの夏ポスター「ふるさと☆オールスター」は、選手ごとに故郷にまつわる名物や粋なキャッチフレーズで彩られたペナントがデザインされています。北は北海道、南は沖縄、さらに国境を越えて海外からも選手が集まっているバファローズ。中には、自治体や観光局に「ふるさと大使」や「観光大使」として任命されている選手もいます。ふるさとへの愛を胸にプレーする選手をここで少しご紹介します。
「大使」を務めている主な選手・コーチ
選手・ コーチ |
大使名 | 自治体等 |
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安達了一 選手兼任 コーチ |
ぐんま特使 | 群馬県 |
小島脩平コーチ | ぐんま特使 | 群馬県 |
若月健矢 選手 |
加須市観光大使 | 加須市 (埼玉県) |
平野佳寿 投手 |
宇治市観光大使 | 宇治市 (京都府) |
T-岡田 選手 |
大阪観光大使 | 大阪観光局 |
福田周平 選手 |
阪南市ふるさと大使 | 阪南市 (大阪府) |
中川圭太選手 | 阪南市ふるさと大使 | 阪南市 (大阪府) |
山崎勝己コーチ | 伊丹大使 | 伊丹市 (兵庫県) |
頓宮裕真選手 | びぜん特別観光大使 | 備前市 (岡山県) |
(順不同)
◆阪南市では「ふるさと大使給食メニュー」
ふるさと大使や観光大使を務めている主な選手・コーチは別表の通り。SNSでの発信をはじめ、地元で開催されるイベントへの協力などを通して故郷をPRしています。
大阪府阪南市の「阪南市ふるさと大使」として活動しているのは、中川圭太選手と福田周平選手。ペナントにはそれぞれ、水なす、お好み焼きと、大阪の食に関するイラストが描かれています。昨年は大使として小学校の給食事業に協力。給食の思い出や食事で気を付けていることについて同市からのアンケートに答え、両選手の好きだった給食メニューは「ふるさと大使給食メニュー」として市内8小学校で提供されました。地域に根差したさまざまな活動を行っています。
◆吉田投手「雪がすごくきれい」
郷土愛の強い選手といえば、吉田輝星投手。6年前の甲子園で「金農旋風」を巻き起こした、言わずと知れた秋田県出身選手です。ペナントには「なまはげ」のイラストと「輝星旋風」の文字。「地元大好きです」と話す通り、オフには必ず帰省し、ふるさとに広がる銀世界を見て心を癒すそうです。
「秋田は寒いけど、やっぱり雪がすごくきれい。高校時代は雪の中をぐちょぐちょになって走りました。それも今となってはいい思い出です」
友人と人気温泉地の「乳頭温泉郷」を訪れたり、勝負にご利益のある地元の神社に初詣してお守りを買ったりと、存分にリフレッシュしてシーズンへの力を蓄えます。
バファローズでは、中嶋聡監督、小木田敦也投手、杉澤龍選手と同郷。5月8日の秋田県での公式戦の際には、チームに振る舞うお土産が被らないように“会議”をしたそうです。「僕はおすすめのシュークリームにしました。バファローズに来てからは結構ローカルトークもできて楽しいです」。目を細めて話します。
◆宮城投手「居心地が良すぎる場所」
沖縄県出身、「オリんちゅ」こと宮城大弥投手も故郷について愛情たっぷりに話します。「のんびりしていてマイペースな人が多いですし、いつでも帰って来いよ!という温かい雰囲気があります。帰るとすごくほっとします」
子どもの頃は太陽の光がさんさんと降り注ぐ中、野球を楽しみ、時には「美(ちゅ)ら海」に入って豊かな自然を満喫したそうです。
毎年オフには欠かさず帰省して友人や親戚と過ごしています。「野球をおろそかにしたくないと思いつつ、居心地が良すぎて…。年々いる日数が長くなってます」。照れ笑いを浮かべます。
「沖縄出身の選手は皆、高校が違っても同じ出身というだけで挨拶し合います。地元にアイデンティティを感じている人が多いし、僕も地元愛が強いと思います」。ペナントにもデザインされている、沖縄の守り神・シーサーがお気に入り。グローブの内側には二体の刺繍をあしらい、遠征用のカバンにもストラップが揺れています。
◆「生まれ育った町をアピール」
奈良県斑鳩町出身の曽谷龍平投手は、入寮時に「生まれ育った町をアピールできるぐらい活躍したい」と話し、町の魅力をつづった資料を報道陣に配ったことで話題になりました。岩手県滝沢市出身の齋藤響介投手は、雨天中止となったものの、盛岡市で開催予定だった楽天戦での先発予定に「地元で投げられるのはうれしい」と気持ちを高ぶらせていました。
多くの選手が生まれ育ったふるさとに深い愛情を抱いています。原点である故郷からのエールは、厳しいプロの世界に身を置く選手たちにとって、ひときわ大きな力となるはずです。ふるさとのスターたちの輝きがさらに増すように、これからも地元から熱いご声援をお送りください。(西田光)