ファーム恒例「大学対抗実況コンテスト」 6大学から8チームが挑戦 「難しさと達成感」

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 オリックス・バファローズのファームの名物イベント「大学対抗実況コンテスト」が7月6日、杉本商事バファローズスタジアム舞洲で開催されました。放送部に所属する大学生たちが、ウエスタン・リーグ公式戦の対中日ドラゴンズ戦を熱く実況。太陽がじりじりと照り付ける夏のスタンドに、さわやかな声を響かせました。

写真:球団スタジアム運営グループの岡村㊨からコンテストの説明を受ける参加者

◆女性実況者も

 関西の学生放送部のレベル向上とモチベーションアップのために実施するこのコンテストは、今回で11回目。過去には朝日放送テレビの福井治人アナウンサーも出場しました。球団スタジアム運営グループの岡村義和は「最近は女性の挑戦者も増えました。どの大学もファームの雰囲気を楽しみながら、のびのび頑張ってくれています」と企画の手応えを語ります。

 この日は大阪経済大、関西学院大、京都産業大、神戸大、同志社大、立命館大の6大学から8チームが参加。各チーム、実況者と解説者が一人ずつ出場し、球団が指定するイニングの実況をマイクに吹き込みます。各チームの録音データを基に後日球団職員が審査し、最優秀アナウンサー、優秀アナウンサーを決定します。

写真:インタビューを受ける内藤選手
写真:インタビューを受ける鈴木コーチ

◆カレーライスが大好物の内藤選手

 試合前には2022年ドラフト2巡目指名の内藤鵬選手と、鈴木昂平育成コーチにインタビューしました。
 2月の宮崎春季キャンプ期間中に左肩をケガし、最近実戦復帰したばかりの内藤選手。「プロ2年目を迎え、昨年と比べて変化はありますか」と質問する学生に丁寧に答えます。「リハビリ期間中には毎日ランニングし、今まで避けてきたこともしっかりやってきました。去年までは力任せにやっていた部分もあったので、今年は動きのキレも出していきたいです」。カレーライスが大好物で「ココ壱番屋」にしょっちゅう行くというエピソードも披露。和やかな雰囲気でインタビューは進められました。

写真:懸命に実況する参加者
写真:楽しみながら実況する参加者

◆内藤選手の打席は?

 迎えた本番、4回裏が審査対象となりました。2番からクリーンナップへと続く好打順。2アウトで4番・指名打者の内藤選手が打席に立つと「ケガから復帰したばかり。この試合へのモチベーションも大変高いようです」と、参加者はインタビューで聞いた情報を盛り込みます。「勢いのある打撃に期待したいところですが…」とたたみかけようとしたところで、打球が空高く上がりました。「内藤選手、初球を打ちましたがサードフライです」。残念ながらこの日は“ココ壱番”の話の出番はありませんでした。

写真:イニング間に笑顔を見せる参加者

◆「新たな視点で野球を観られた」

 神戸大学は今回初出場。実況を務めた3回生の佐藤大地さんは「選手の頑張りをリアルタイムで自分の声を伝えるのは難しかったですが、他にはない達成感と爽快感がありました」と笑顔。幼い頃から野球が大好きな1回生の藤澤咲璃花さんは「野球の放送に関わることがずっと夢だったので、今回のコンテストで一つ叶えられました。解説を通していつもと違った新たな視点で野球を観られました」と充実感をにじませました。

 成績発表は9月23日に京セラドーム大阪で実施し、最優秀アナウンサーと優秀アナウンサーに輝いた参加者にはこの日のスタジアムアナウンスに挑戦してもらいます。(西田光)

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