決めポーズのアクリルスタンド、顔写真がどアップのうちわ、ライブの場内演出に欠かせないペンライト…。アイドルグループのコンサートグッズと見紛う色とりどりのグッズが「Bsオリ姫デー2023 supported by DmMiX」初日の6月6日に発売された。球団グッズの開発と販売を行うMD部が用意した20種類のオリ姫デーグッズは、どれも渾身作。特に気合を入れて開発に取り組んだMD企画グループの竹内久美子は「アイドル感満載のグッズにできました。オリ姫の皆さんにきっと刺さるはずです」と自信を持って話す。オリ姫デーグッズ開発秘話に迫った。
◆温めていたアイデアを形に
今年のオリ姫デーは、ポスタービジュアルが一際目を引いた。オリ姫による推しメン投票企画「オリメン投票」の上位11人を、キラキラ笑顔の「#B_CUTE」と、ワイルドでおしゃれな「#B_COOL」の二つのユニットに分けて撮り下ろした。ビジュアルが公開されるや否や、SNS上では大盛り上がり。竹内も「これまでのオリ姫デー以上の注目度。私たちMD部もギアを上げないと」と前のめりで準備を進めた。
グッズ開発担当者としては7年目の竹内。これまでとひと味違ったグッズ製作となった。「ハート型スティックバルーンも、ミニペンライトも、ずっとやってみたかったんです。今年のビジュアルを見た瞬間『今だ!』と思いました」。温めていたアイデアを惜しみなく出して形にした。
クリアファイル、フォトフェイスタオル、うちわなど、選手のビジュアルショットを大きく扱うアイテムは、同じ選手の写真でも微妙にポージングや仕草が異なっている。「ファンの皆さんもいろんな表情の選手を見たいはず。持っている写真素材を余すことなく使いました」と竹内。プロ野球のグッズ開発担当者として、各選手の魅力を最大限まで引き出すプライドを感じさせる。
完全にアイドルに振り切ったグッズ展開は大好評。SNS上では「グッズを作った人、もしかしてアイドルオタクでは?」とのコメントがいくつか見受けられた。これについて竹内は「そう言っていただけるレベルのグッズにできて嬉しいです」とはにかむ。「以前に応援していたアイドルのことも思い出しながらラインナップを考えました」と自身のアイドルファン目線も取り入れた。京セラドーム大阪で開催されるコンサートのグッズも日頃からチェックしていたため、アイドルグループのグッズ情報を調べるまでもなく、アイデアが頭に浮かんだという。
◆CDデビューを思わせるグッズも
竹内が特に情熱を持って製作したのは、CDケースの中にメモ用紙が入った「BuffaloesオリメンCD風メモ帳」。「アイドルといえば絶対にCDは外せません。本物のCDケースを使ったグッズをどうしても作りたかったんです」と竹内。
前例がなく、グッズ化は難航を極めた。CDケースを使ったグッズ製作という異例のオーダーである上に、メモ用紙の中央部にCD型の穴を空ける工程は一筋縄では行かず、約10社メーカーに断られたという。竹内の熱意が通じたメーカーの奮闘の末、どうにか実現に漕ぎつけたアイテムだった。
商品化できた喜びもひとしお。アイドルさながらのジャケットのデザイン、ユニフォームの色彩を生かしたこだわりの帯が加えられ、見た目は完全にアイドルのCD。Bs SHOPに陳列されると、思わず選手たちがCDデビューしたのかと勘違いしてしまう。竹内は「これがやりたかったんです」と満足気な表情を浮かべる。
◆Bs SHOPは大忙しで準備
竹内たちが心を込めて製作したグッズを販売する、京セラドーム大阪の球団直営店「Bs SHOP」では、オリ姫デー前日、ほぼ1日がかりで品出しにかかった。ショップの入口付近の一番目立つスペースに「#B_CUTE」と「#B_COOL」、二つのコーナーを準備。選手の顔が大きくプリントされたタオルやクリアファイルはBs SHOPに入った瞬間、目に飛び込んでくるように配置された。Bs SHOPの久田篤史店長も「オリ姫の皆さんの熱量に負けないようにと、これまでとは桁違いの数量をご用意しました」と万全を期して臨む。
ずらりと陳列されたオリ姫デーグッズを見た竹内は「にやけちゃいますね。今回たくさんのオリ姫が注目してくださっていますし、こだわってよかったです」と充実感を漂わせる。 竹内の一番の楽しみは、グッズを持ったオリ姫たちの喜ぶ姿をSNSで見ること。「ぜひ推し選手のグッズと一緒に写真を撮って、オリ姫デーで最高の思い出を残してください」と全力でアピールした。
グッズ開発担当者目線、オリ姫目線、アイドルファン目線。竹内があらゆる視点から考え、夢中で作り上げたオリ姫デーグッズ。ドームでも、お家でも、選手へのときめきを倍増させてくれるに違いない。(西田光)