「夢のような最高のステージ」
BsGravityがDK(FROM.iKON)さんと「真夏のオリフェス」で共演

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 K-POPアーティストのDK(FROM.iKON)さんとのコラボステージを終えたBsGravityのメンバーたちは、ほてった顔に達成感をにじませた。「14人の力を出し切りました」「一生忘れられない、最高の時間でした」。8月18日、「Bs夏の陣2024 supported by SAMTY」のフィナーレイベント「真夏のオリフェス」をDKさんと共に熱く盛り上げたBsGravity。このステージにかけた情熱と舞台裏に迫った。

写真:「Bs夏の陣」最終戦の試合終了後に開催された「真夏のオリフェス」

◆憧れのスターとのコラボ

 「iKON」は2015年に韓国でデビューした人気ボーイズグループ。16年に日本デビューを果たすと、その年の日本レコード大賞最優秀新人賞を受賞。代表曲「LOVE SCENARIO」のミュージックビデオの再生回数は6億7000万回を超える。DKさんは同グループのメインダンサーとサブヴォーカルを務め、ソロアーティストとしても活躍している。

 「真夏のオリフェス」へのDKさんの出演が決まったのは7月末だった。球団イベントグループの松元唯香はすぐさまアクションを起こした。BsGravityとのコラボステージの打診だった。かつてCHALとしてBsGirlsをけん引した松元には確信があった。「もしBsGravityがDKさんと同じステージに立てれば、メンバーにとって大きな経験になる」。デビュー曲「GRAVITY」のミュージックビデオとメンバーのプロフィール文を添えた依頼文は、世界的なアーティストに対して無謀なリクエストとも思えた。だが、返事が届くのにそう時間はかからなかった。快諾だった。BsGravityがバックダンサーとしてDKさんのステージに立つ。松元の思いは現実のものとなった。

 共演を知ったメンバーたちに衝撃が走った。特にU-KIは日本デビューより前からiKONの楽曲に心酔していた熱烈なファン。「DKさんはダンスも歌も完璧。自分がロールモデルにしていた憧れの存在です。本当に最高!という気持ちでした」と、その時の興奮を振り返る。

写真:圧巻のステージを披露するDKさんとBsGravity

◆「実力で証明しよう」

 U-KIのみならず、メンバー全員にとって特別なステージとなることは明らかだった。今シーズン、男女混成パフォーマンスグループとして新たに舵を切った「BsGravity」。注目を集める結成1年目は、期待だけでなく厳しい目も少なからず向けられる。どのメンバーも「自分たちがBsGravityを築いていく」というプレッシャーと戦っていた。

 それを乗り越えるため、メンバー全員がデビュー当時から胸に刻んでいる言葉があった。「実力で証明しよう」。BsGravityが目指すのは、圧倒的なパフォーマンスで球場全体の士気を高め、チームに熱いエールを届けること。トッププロアーティストとのコラボで最高のパフォーマンスを披露できれば、必然的に実力も証明できる。彼らを奮い立たせるには十分すぎるステージだった。

写真:パフォーマンスするFANA

◆バックダンサーとしての魅せ方

 決まったセットリストは、山田修義投手が登場曲に使う「BLING BLING」(iKON)をはじめ、DKさんのソロ曲など全7曲。その内6曲でBsGravityがバックダンサーとして出演することとなった。「BsGirls時代を含めても、ここまで本格的なコラボは初めてでした」と松元。だが、その胸中には不安もあった。それはメンバーも同じだった。

 多くのメンバーが初めてとなるバックダンサーとしてのパフォーマンス。いつものステージと異なり、主役のDKさんを引き立たせる魅せ方が必要だった。メンバーは韓国語の歌詞を和訳して曲を聴きこんだ。楽曲それぞれの世界観を理解し、パフォーマンスに落とし込んだ。試合前パフォーマンスのスタンバイ時やイニング間など、少しでも時間ができれば動きを確認し合った。自宅に帰ってからの自主練習はもちろん、休日にはメンバー自らスタジオを借りて練習を重ねた。

写真:パフォーマンスするHINATA

◆5日前から異例のリハーサル

 初対面は本番の5日前だった。「ゲストの方がここまで何度もリハーサルに来てくださるのは初めてでした」。松元がそう語るとおり、異例ともいえる連日にわたるリハーサルは、DKさんの要望によるものだった。

 初めてリハーサルに挑むその日、メンバーにはただならぬ緊張感が漂っていた。DKさんは挨拶を終えるとすぐにこう切り出した。「一曲見せてください」。メンバーはすぐに察した。「ここで実力が測られる」。息詰まる雰囲気の中、DKさんを前にパフォーマンスを披露した。松元は言う。「DKさんはその一曲だけでメンバーの魅せ方や特長を理解されました」。楽曲ごとにふさわしいポジションがメンバーに割り振られた。

 DKさんのパフォーマンス力、プロデュース力、そしてステージにかける情熱。練習中、それらを目の当たりにしたメンバーは、コラボステージへの思いを加速させた。RYUTOは振り返る。「DKさんは、パフォーマンスだけでなく、照明の入り方からカメラワークまで、全てにおいてストイックにこだわられていて、圧倒されました。僕らも絶対に良いステージにするために、練習から100%の力で挑みました」。1日約5時間のリハーサルを経て、本番に向けて仕上げにかかった。

写真:パフォーマンスするRYUTO

◆BsGuysが表現した「色気」

 迎えた本番。DKさんが登場するとスタジアムは一気に歓声に包まれた。きらびやかなグラウンドステージ上で、BsGravityも共に躍動した。力強さ、切なさ、愛しさ。楽曲の色彩に合わせて、魅せる表情と動きは次々と切り替わった。

 二曲目に披露された「Kiss Me」のバックダンサーは、BsGuysだけで編成された。パープル、レッドのライティングで彩られた妖艶なステージ。しなやか且つダイナミックな動きで男性ならではの色気を醸し出し、主役のパフォーマンスを際立たせた。「この曲だけでなく、他の楽曲でもBsGuys単独のパートがいくつか組み込まれました。全てDKさんからのリクエストでした」。そのことに松元は確かな手応えを得ていた。「男性メンバーが加わり、グループとして表現の幅が広がったことを実感しました。男女混成グループであることを象徴するステージになったと思います」

 本番を見届けた松元は「ただ、ただ、感動しました」。想像のはるか上を行くパフォーマンスを見せたBsGravityの頑張りをたたえた。ステージは大歓声を浴びて幕を閉じた。

写真:ステージを終えて記念撮影をするDKさんとBsGravity

◆HINATA「励まし合って頑張れた」

 DKさんはステージを振り返り、「BsGravityの皆さんは期待以上にたくさん練習してくださいました。コラボすることができて本当に幸せでした」とさわやかな笑顔で話した。

 「皆、本当にカッコよかったです。ありがとう」。DKさんはメンバーにそう声をかけた。一人ずつ交わした固い握手。メンバーの目には涙が浮かんだ。互いに感謝の言葉を繰り返し伝え合った。

 「夢のような空間でした」。そう振り返るHINATAは格別な自信を得ていた。「いつもと違う私たちで最高のパフォーマンスを届けたい。その一心で頑張りました。絶対に誰もあきらめなかったし、お互いに励まし合って、本番当日まで高い意識で臨めました」。FANAは言う。「『自分たちが楽しんでいるから見ている人も楽しい気持ちになる』というDKさんの言葉を忘れません」。凛とした表情でこれからを見据えた。

 京セラドーム大阪での試合前、今日も彼らは生き生きとした表情でグラウンドに向かう。胸に抱いているのは、DKさんから肌で感じ取ったステージへの情熱。楽曲がスタートした瞬間、メンバーの目に輝きが宿った。そこには成長へのほとばしる熱意がにじんでいた。

 リスペクトするスターとのコラボを経て、さらにパフォーマンスに磨きをかけたBsGravity。進化を続けるグループにこれからも目が離せない。(西田光)

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