7月10日、ほっともっとフィールド神戸での試合後に開催された「Bs大花火大会」。JSPORTSやパ・リーグTVの中継では、小林二軍監督、田口コーチ、平井コーチのインタビューが放送されました。かつての青波戦士たちが語る「グリーンスタジアム神戸の思い出」について、インタビュー全文をお届けいたします。
◆小林宏 二軍監督
―現役時代のホーム、グリーンスタジアム神戸の良さはどんなところにありますか。
投げやすかった球場ですよね。外野も芝が綺麗ですし。外で野球をやるっていうのは、当時はまだ藤井寺球場とかがあったので当たり前だったんですけど、今はもうドームが多い。やっぱり野球は外でやった方がいいのかなという気持ちです。気持ちいいですよね。
―初登板、初先発、初完封の球場ですね。
覚えています。初登板がロッテ戦で、初先発が近鉄でした。完封が、当時のダイエーですね。4対0での完封じゃなかったですか?たしか8月。
―1995年8月29日ですね。この日の初完投初完封ですが、やはり地元で勝利したい思いがあったのでしょうか。
いや、そこまで考える余裕はなかったんですけど、当時リリーフピッチャーが素晴らしかったので、抑えないと完投できないという思いがありました。すぐ代えられるので、仰木さん。それは一生懸命投げましたね。
―神戸では、楽しい思い出と苦い思い出、どちらの印象が強いですか。
うーん、楽しい方が多かったと思います。
―どういったところでですか。
やっぱり強かったというところですね。さっきも言いましたけど、当時リリーフ陣も完璧だったんで。打線もイチローをはじめ、田口さんとか、外国人ニールとかいたので。しっかり投げれば勝てるという要素がありました。それは楽しかったですね。
―試合中に花火が上がることも特徴だと思いますが、選手としては花火はいかがでしたか。
あぁ、見てましたね。先発の時も休憩があるので、キャッチボールをしながら花火を見てました。もちろん余裕がある時ですけど。しかも、ちょっと休めるしいいなっていうのは、思っていましたね、正直(笑) コーチの時はさすがにはあんまり見れなかったですね。次のピッチャーの準備とかがあるので。もう、全て現役の方がいいですね。
◆田口壮 外野守備・走塁コーチ
―グリーンスタジアム神戸と聞いて思い浮かべることは。
思い浮かべること…いっぱいありますよ。いっぱい。95年、胴上げがかかった試合で勝てなかった時の思い出…、96年には、このグラウンドで日本一になったという思い出もありますし。いろんなことがありましたね。
―95年の勝てなかった試合とは、9月14日からの本拠地でのロッテ3連戦でしょうか。
そうです。もちろん印象に残っていますし、この勝てなかった3連戦で外野手としてすごく勉強させられた部分がありました。すごく緊張した中で、すごく考えながらやっていたけど、自分の考えがまとまってない部分もあって、その情けなさとか…。その3連戦から、もっと考えて、自信を持ってやっていかないと、という思いになりました。
―考えが足りなかったといいますと。
3戦目、たしか平井が投げていた時ですね。ロッテの初芝さんが打席に立って、ポジション取りをどっちにするか悩んだんですね。引っ張りなのか逆方向なのかというところで、引っ張りが来ると思ったら、逆方向に飛んできてあと50センチのところで落ちてしまった。それがどうしても忘れられないというか…。
―翌年の日本一も、野球人生において素晴らしい経験だったと思いますが、やはりそちらも鮮明に覚えていますか。
そうですね。日本シリーズは最後のボールを取ったんで。また違った緊張感がありました。ボール飛んで来い、飛んで来いと思っていました。
―初先発、初安打、初盗塁、初本塁打、1000本安打全てグリーンスタジアム神戸ですね。
当時本拠地だったので、僕も大好きな球場です。初ヒットも初ホームランも、全部覚えていますね。
―メジャーを経験されて、改めて思うグリーンスタジアム神戸の良さとは。
すごく開放感があって、球場らしい球場なんです。グラウンドに一歩踏み出した時に、「さぁ、野球やろか」という気持ちになる。お客さんからしても、一番最初に球場入った時に「あぁ、きれい!」と思える球場だと思うんですよね。「あぁ、野球が始まる!」と思える球場。そういう魅力が僕はあると思っています。
―グリーンスタジアム神戸は花火が試合中に上がるのも名物ですが、試合中に上がる花火はどう見ていましたか。
僕はあんまり見る時間がないんですけども、いつもいいなと思っています。ちょうど日が暮れて、ちょうど休憩時間で、野球観戦している皆さんもちょっと一息つける時かなと思うんで。すごくいいなと。特に現役の時とかは、ゲームがあるんで、いろんなことを考えているとなかなか見れなかったというのはありますがね。たまに時間がある時はじっくり見てますよ!試合が終わった後の花火なら、ビール飲みながら見たいですね(笑)
◆平井正史 育成コーチ
―グリーンスタジアム神戸は平井コーチにとってどのような球場ですか。
僕が入団させてもらった時のホーム球場だったので、本当に育ててもらった球場というイメージですね。僕が入った時は、内野は天然芝ではなかったんですが、今は内野も天然芝。内野もというと、僕が知る限りではマツダスタジアムと楽天生命パーク宮城とグリーンスタジアム神戸だけ。メジャーを見ていても「天然芝の球場いいな」と思っていたので、それが日本であるというのがすごくいいことだと思います。色んな球場で野球をしましたが、天然芝で外の球場という意味では、日本一の球場じゃないでしょうか。
―どういう部分が特に良いなと思いますか。
まず、やっぱり緑ですね。グリーンスタジアムというだけあって緑が綺麗。僕らは神戸の寮に住んでいたので、地元の球場というイメージがありますし。そして、あの素晴らしい優勝っていうイメージしか本当に無いですね。
―95年のリーグ優勝は盛り上がりを見せましたね。
本当にね、阪神淡路大震災の後でしたが、まず最初お客さん入るかどうかわからない中で、スタートさせてもらって。そこからチームが勝っていくたびにどんどんお客さんも見に来てくださって、最後はほぼ満員だったので。僕たちも投げていてもやっぱりとても励みになりました。球場全体で勝ち取った優勝なんじゃないかなと思います。
―楽しい、苦しい、いろんな感情があったと思います。
95年は特にマジック1からこの球場で3連敗を喫してしまって、しかも最後自分が投げていたので…。それも逆転負けっていうね、いい思い出ではないんですけど。すごく心に残る出来事があったなと思います。
―グリーンスタジアム神戸といえば、試合中などに花火が上がることが特徴です。選手から見るといかがでしょう。
楽しいですよ!本当に余裕がある時は、5回終わりの休憩の時に、僕らもずっとブルペンにいましたので、空を見上げていましたね。
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小林二軍監督、田口コーチ、平井コーチそれぞれに特別な思い出が詰まったほっともっとフィールド神戸。かつても今も変わらない美しい球場、そして花火ナイトを、これからもお楽しみください。
今シーズンの「花火ナイト」予定
8月16日(火) 18:00 vs千葉ロッテ Bs夏の陣2022 5回裏終了時
8月17日(水) 18:00 vs千葉ロッテ Bs夏の陣2022 5回裏終了時