Bs夏の陣ユニフォーム 仕掛け人が語る「格好良さ」

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毎年特別ユニフォームを製作し、注目を集めるBs夏の陣。今年は「さらに輝くために」をコンセプトにゴールドブラウンを基調にしたクラシカルなデザインとなりました。仕掛け人は、10年以上ユニフォームデザインに携わる事業企画部の後藤俊一部長。製作にかける思いについて、BsTVで実施した「Bs夏の陣歴代ユニフォーム人気アンケート」結果も踏まえて話を聞きました。

―まず、今年のBs夏の陣ユニフォームの色・コンセプトが決まった経緯を教えてください。

昨シーズンのリーグ優勝から、チームの風格や選手たちの自信をイメージしました。ゴールドは栄冠、優勝をイメージさせますし、連覇へ向けてさらに輝いてほしいという願いを込めました。選手たちも試合を重ねるごとにどんどん頼もしくなっている印象ですし、ぴったりだったと思います。

写真:キャップには今シーズン誕生したOBイニシャルマークが使われている。

―今シーズン生まれたOBイニシャルマークも良いですね。

サードユニフォームにも使っていますし、個人的にイチオシのロゴです。うまくハマったデザインにできたと思います。

―どのぐらい前からデザインを考えるのですか。

随分前から、すごく時間をかけて作っています。前年のBs夏の陣のユニフォームが決定した瞬間から、すでにカラーリングの構想がありました。常にアイデアのストックを用意しており、そこから方向性を絞っていく流れです。デザイン確定後も、サンプルの作製や撮影、メディア向けの会見など、さまざまな準備の工程があります。

―時間も労力もすごくかかっているのですね。

そうですね。様々なことを経て迎えたBs夏の陣の初日、チーム全員が着用しているベンチを見た瞬間は、本当に嬉しいです。

―デザインにおいて重視していることは何でしょう。

バファローズらしさを損なわずに、選手が着用した時にいかに格好良く見せられるか、というところです。手前味噌ですが、私はバファローズのホームユニフォームが12球団で一番格好良いと思っています。本当に野球らしくてクラシカルなユニフォームなので、そこから逸脱したくないんです。だから、Bs夏の陣のユニフォームも、必ずホームユニフォームがベースです。

―そうだったんですか。地球柄をはじめ、デザインに目が行きがちです。

あれも結局はホームユニフォームの背景を地球に変えただけなんですよ。それ以外は一切手を加えていません。ホームユニフォームを基に作るからこそ、どんなにユニークな色味や柄を持ってきても映えるし、格好良くデザインすることができます。

―2019年アグレッシブブラック、2021年エナジーグリーン、今年ゴールドブラウンと、最近はシックなトーンになっている印象です。

奇抜なデザインは挑戦し尽くしたので、自然とここ数年は落ち着いたデザインになったのかもしれません。もちろん、今後変わったデザインに振り切る可能性も十分ありますよ。攻めたユニフォームへの挑戦心は失っていません。

写真:選手、ファン共に人気の高かった2019年アグレッシブブラック

―BsTVで実施した「Bs夏の陣歴代ユニフォーム人気アンケート」では、選手・ファン共に2019年アグレッシブブラックが人気ナンバーワンでしたね。

納得の一言です。サンプルを作る前の下絵を見た瞬間から「これはいける!」と確信した記憶があります。黒、というのがやっぱり格好良いですし、意表を突けたのかもしれません。福田周平選手も「忍者っぽい」と言って投票してくれていましたね。

―この年は特に色々な挑戦があったのですよね。

「荒ぶる猛牛」のセカンドロゴが誕生しました。この時に出したおかげで、結構浸透させることができたと思います。

―上下セットのユニフォームになったのも2019年アグレッシブブラックからですね。

そうです。それまでのBs夏の陣では上半身のみのデザインでしたが、この時に初めてパンツにも着手しました。より締まったデザインにまとめられたと思います。昨年も今年も上下セットですし、そこはこだわっているポイントの一つです。

写真:2015年の地球柄ユニフォーム

―後藤部長の選ぶ、歴代Bs夏の陣ナンバーワンユニフォームは。

どれも思い入れがあるので決められないですね。でも、強いて言うなら、やはり2015年の地球柄は大きな話題になりましたし、印象に残っています。これをきっかけに、「Bs夏の陣といえばユニフォーム」というイメージを決定づけられたと思います。

―どういった経緯で地球柄が生まれたのですか。

特別なインクを用いて生地を色付けする、昇華プリントという技術が使えるようになり、デザインできる幅が広がりました。その技術を生かしたいと思ったところが始まりです。

―その時も色々候補があったのですか。

そうですね。炎、ファイアーをイメージしたデザインなんかもありました。

―素敵じゃないですか。

でも、冷静に考えるとユニフォームを燃やすのはおかしいかなと思って。やめたんです。そんな中でふと思いついたのが、地球柄でした。デザインに落とし込んでみたらすごく良くて、どんどん話を進めていきました。

―雲の形や大陸の凹凸感など、細かいところまで丁寧にデザインされていますよね。

そうですね。日本列島は左胸の心臓に近い位置にしましたし、他にも雲の場所や大きさ、陸地の色味などにもしっかりこだわりました。

―今後はどのようなユニフォームを作っていきたいですか。

他球団もユニフォームには力を入れているので、その中で負けないようなデザインを考えていきたいです。選手に似合うユニフォームを作って、それが選手のやる気につながり、勝てる「縁起の良いユニフォーム」になれば嬉しいです。

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Bs夏の陣の「顔」とも言える特別ユニフォーム。その裏側には、格好良さを徹底的に追求し、アイデアを緻密に具現化していく後藤部長の姿がありました。今後のBs夏の陣ユニフォームにもどうぞご期待ください。(西田光)

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