オリックス・バファローズは12月17日、毎年恒例の大学生によるマーケティングプレゼンテーションを阪南大学あべのハルカスキャンパスで開催しました。9回目となる今年は、大阪体育大、天理大、和歌山大、関西大、桃山学院教育大、大阪商業大、阪南大、大阪成蹊大から65人の学生が参加。「優勝効果を最大化するために球団がとるべき施策」をテーマに、ファームでの来場者調査をもとに練り上げたユニークなアイデアを披露しました。
◆過去最多の8大学参加
この取り組みは、大学、自治体、バファローズが連携して実施しています。ファームの地方主催試合が開催される地域の大学が、各地方試合の来場者について専門的な視点から調査・分析し、その結果をもとに球団に対して新たな企画や事業を提案します。8大学の参加は過去最多となりました。
◆独創的なアイデア
「記憶」をキーワードに調査を行った大阪体育大は、1995、96年の優勝についてのエピソードや感情を、ファン歴が浅い人でもおよそ4人に1人が記憶していたというデータに着目。「ファンでない人にも優勝の記憶を刷り込むことが重要」とし、YouTubeで優勝に関する映像を繰り返し見せてリマインドさせる提案を行いました。 関西大は、バファローズが大阪の球団であることについて若年層の認知度が低いデータに注目しました。大阪の球団であることをアピールするために、府内の遊園地とコラボし、選手による園内放送やコラボポスターの制作を提案。さらに、大阪銘菓の焼き印をバファローズロゴ入りのデザインにする案や、京セラドーム大阪に隣接する商業施設でのキャンペーン案など、次々と独創的なアイデアを繰り出しました。
◆ファン目線も生かした提案
大阪商業大は、公式アプリから「来場成績」がわかる機能を活用し、球場での観戦時の勝率を競うイベント「勝利を呼び込め!勝利のオリ姫オリ達は誰だ!?選手権」を考案しました。CSも優勝パレードも駆けつけたという奥田崚斗(おくだ りょうと)さん(3回生)のファン目線を生かした具体的な提案。奥田さんは「難しいテーマでしたが、他のメンバーのフラットな目線も両立させることで良い提案ができたと思います。調査する中でバファローズをより好きになりましたし、来年も参加したいぐらいです」と多くの収穫を得た様子でした。
◆企画名にもこだわり
天理大は、BsCLUBのポイントを出場選手に投票し、その活躍度に応じてポイントが返ってくる「選手ブックメーカー制度」を提案。阪南大からは、吉本新喜劇のように関西の地上波で毎週放送することで無関心層にアプローチする案が挙がりました。和歌山大は、SNSでの情報発信の重要性を強調。ほかにも、選手とファンでフラットな関係性を築く「Bs Family project」(桃山学院教育大)や、今シーズンのキャッチフレーズ「全員でW(笑)おう!!」をもじった「全員でM(もら)おう!」(大阪成蹊大)など、企画名にもこだわった楽しい提案が寄せられました。学生たちは、他大学のプレゼンにも真剣な表情で耳を傾け、質疑応答の時間には積極的に手を挙げて鋭い質問を投げかけていました。 花木聡プロジェクトマネージャーも満足気な様子で「良いアイデアたくさん頂戴でき、大変刺激になりました。社内で共有させていただいて、来シーズンに優勝効果をしっかりと取り込めたら」とにっこりと講評しました。(西田光)