なにわのHERO&HEROINE特別始球式実施 ギネスのマラソンランナー夫婦が仲良く登板

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オリックス・バファローズは7月12日、京セラドーム大阪で「なにわのHERO&HEROINE特別始球式」を実施しました。この始球式は、大阪の街を明るくすることに貢献した地元のヒーローをお招きします。6回目となる今回は、枚方市在住の内田昌詞(まさつぐ)さん、良子(りょうこ)さんのご夫婦にご登板いただきました。

◆合計年齢「170歳30日」でフルマラソン完走

始球式前、グラウンドに続く通路で「大会よりも五輪の聖火ランナーよりも緊張するね」と微笑み合うHEROとHEROINEの姿がありました。お二人はギネス世界記録を持つマラソンランナー。

ご夫婦は、2015年10月、大阪マラソンでフルマラソンを完走。当時、昌詞さんは82歳、良子さんは79歳。夫婦の合計年齢「161歳349日」は、世界最高齢としてギネス記録に認定されました。その後も4回記録を更新。2019年11月の神戸マラソンでの合計年齢「170歳30日」が現在のギネス記録です。
現在、昌詞さんは90歳、良子さんは86歳。今もトレーニングを欠かさず、週に3回10キロを走って体力を維持しているパワフルなご夫婦です。

◆〝正装〟で走ってマウンドへ

大阪マラソンで京セラドーム大阪の目の前を走ったものの「中に入るのは初めて」のお二人。始球式への期待と熱意は大きく、お二人のこだわりが随所に散りばめられました。
「マラソンランナーとしての〝正装〟で行かせてください」と、お二人とも昨年の大阪マラソンでのウェアを着用。その上から、背番号「728」があしらわれた「なにわのHERO&HEROINE特別始球式」特製ユニフォームに袖を通しました。

「マウンドまでは走っていきます!」と、グラウンドには軽いランニングで登場。それはマラソンへの熱い思いから。
昌詞さんは「マラソンは素晴らしい競技。プロもアマチュアも男性も女性も関係なく同じ場所からスタートし、一生懸命走って同じゴールを目指します。一万人が走れば、一万人分の感動がある特別なスポーツです」と熱く語ります。

お二人がマラソンの魅力に引き込まれたのは、70歳を過ぎてから。通っているジムのランニングイベントに参加したことがきっかけでした。初のフルマラソン走破は、昌詞さんが81歳、良子さんが77歳の時の淀川寛平マラソン。その達成感に虜になっていた時、自分たちより1歳ほど年上のご夫婦がギネス世界記録を持っていると知りました。「よし、挑戦だと思いました。ギネス記録という新しい目標が加わりました」と、マラソン魂に火が付いたご夫婦。ますますトレーニングに打ち込むようになったそうです。

◆夫婦そろってスポーツが趣味

スタンドからの拍手を浴びながらマウンドに到着したお二人。ネット裏、一塁側、センター方向、三塁側とそれぞれのスタンドに向かって深々とお辞儀をします。「ピッチャー、内田昌詞、内田良子。プレーボール!」。アナウンスが鳴り響くと、仲良く手を取り合ってマウンドに上がりました。

60年以上を共に歩み続けた夫婦の厚い信頼が伝わるこのシーン。お二人の共通の趣味はスポーツで、これまでスキー、テニス、卓球など多くのスポーツを楽しんできました。
さらに、昌詞さんは20代から40代ごろまで趣味で準硬式野球をプレー。「キャッチャーで5番、主将をしていました。いつも妻が応援に来てくれていました」と思い出を振り返る昌詞さん。「プロのマウンドに夫婦そろって立てるなんて夢のよう」と今回の始球式への喜びもひとしおでした。

◆力いっぱい投球

キャッチャーは福永奨選手、バッターボックスには池田陵真選手。良子さんからボールを受け取った昌詞さんは、堂々としたフォームで力いっぱいボールを投げました。ボールはバウンドするも福永選手のミットにしっかりと収まり、スタンドからは大きな拍手。お二人から笑顔がこぼれました。

◆「感動しました」

始球式を終えたお二人はすがすがしい表情。「感動しました。無事終わって本当に良かった」と昌詞さん。良子さんも、はにかみながら頷きました。

昌詞さんは、野球とマラソンには共通点があるといいます。「目標に向かって頑張るという意味では全く同じ。日本一連覇を目指して頑張るバファローズに負けないように、これからも足腰と心肺能力を鍛えます」。今回の始球式を刺激に、決意をにじませたお二人。夫婦で手を取り合ってギネス更新を狙う日々は、まだまだ続きます。(西田光)

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