BsGirls結成10周年 スペシャルライブでOG集結 進化の軌跡に迫る

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8月19日、BsGirls結成10周年を記念して開かれた「BsGirls 10th Anniversary Special Live」。BsGirlsの歴史を紡いできたOGが全国から駆けつけ、現役14人を合わせて総勢52人による圧巻のパフォーマンスを披露した。
これまでシングル12枚、アルバム6枚、計18枚のCDをリリースし、毎年ワンマンライブを開催。年代ごとの魅力やカラーを打ち出しながら進化を続けてきた。クールなパフォーマンスでチームの背中を押し、バファローズファンの心を掴んできた勝利の女神たちの魅力と真髄に迫った。

◆チラシ配りからスタート

「球界初のダンス&ヴォーカルユニット」。BsGirlsは、これまでの球団チアガールとは一線を画す触れ込みで、エイベックスとのコラボレーションにより2014年に誕生した。CDリリースを見据えた本格的なグループに1000人を超える応募が寄せられた。

「当時、野球の応援と言えばチアのイメージが強く、ギャップを感じる方も多かったと思います」と、初代リーダーのKYOKOは語る。ポンポンを持たない新しい応援スタイル。シーズンが始まって間もない頃は、屋外ステージに集まる人はまばらで、スタンドのファンの反応にも物足りなさがあったという。
メンバー自らチラシを手配りし、積極的にサイン会を実施してファンへの認知を図った。

地道な活動は程なく実を結び、この年7月に発売した待望のデビューシングル「Diamond」は、デイリーチャートで関西2位に。スタンドからメンバーに手を振るファンも増えていった。リーグ2位だったチーム成績にも後押しされKYOKOは「バファローズを愛し、応援するという目標に向かって、グループとしても少しずつ一つになっていきました」と振り返る。

◆チームを応援する思い

現在球団職員として働くCHALこと松元唯香は、2016年から2021年までリーダーとしてグループを引っ張った。

毎年オーディションが行われ、グループのメンバーは入れ替わる。リーダーとして各メンバーとしっかり対話することはもちろん、グループの意思統一が重要だった。その中で決してブレなかったのは「チームを応援する思いでした」と語る。
「バファローズがいるから私たちがいます。ファンの皆さん、そして、チームと同じ気持ちでグラウンドに立てるように心がけていました」。意識していたのは、チームとファンの懸け橋となることだった。

応援歌を紙に手書きして楽屋の壁に貼り、メンバー皆で歌いながらチームの勝利を願った。最初は野球への関心が低かったメンバーが、バファローズを愛するようになるのも当然の流れだった。

◆作詞は成長へのトリガー

そんなCHALが「BsGirlsにとって唯一無二の武器」と語るのは、デビュー翌年の2015年からスタートしたメンバーによる作詞。2代目のリーダーSAYUが「FLY」を作詞して以降、メンバーがコンスタントに詞を手掛けている。「チーム、ファンへの思いを自分たちで言葉にして届けられる。すごく悩んだし難しかったですが、作詞をして世界が変わりました」。7曲の作詞を担ったCHALは、詞をつくることがメンバーを成長させるトリガーにもなっていると話す。

2014、15年にヴォーカルを務めたMAFUは、現在も作詞家としてBsGirlsの楽曲を手掛けている。五回裏終了時のハリセンタイムでおなじみの「Take Me」は、イニング間の盛り上げにぴったりの曲に仕上がった。MAFUは「グラウンドに立った時をイメージして作りました。『内野!』『外野!』と呼びかけることで、敵味方関係なくこの時だけはみんなで楽しくハリセンを叩いてほしいという願いを込めています」と思いを口にする。

野球、そしてチームに真っすぐな思いを持つBsGirlsのメンバーたち。紡ぎ出された揺るぎない言葉は、スタンドの気持ちを一つにする。

◆38人のOGたち

今年6月、OGたちにスペシャルライブの知らせが届いた。BsGirlsでかけがえのない時間を過ごしたかつてのメンバーたちは、続々と出演を決意。卒業生66人の内、38人が再びステージに上がることを決めた。

アイドル、モデルなどそれぞれのステージで活躍するOGもいれば、母親になっていたメンバーもいた。2015年から19年まで在籍したAOIは現在2歳の女の子を持つ母。「現役時代は、自分よりもBsGirlsのことを一番に考えていました。今の私にとっての一番は娘です。娘にいつもと全く違う格好いい姿を見せたくて、出演を決めました」と久々のステージに胸をときめかせた。

本格的な練習は約1か月前から開始した。東京組と大阪組でグループに分かれ、OG自らレンタルスタジオを手配し、度々練習会を実施。仕事や家庭のスケジュールの合間を縫って集まり、立ち位置や細かい動きを確認し合った。全体練習は本番3日前からというタイトなスケジュールの中、綿密に仕上げていった。

◆10年の集大成

迎えた本番。CHALを中心に考えた「10年の集大成」といえるセットリストで、世代を超えたパフォーマンスを披露。キレのある鮮やかな動きで魅せるダンスステージ、美しくしなやかな歌声を響かせるヴォーカルステージなど、各メンバーの魅力が引き立つ見せ場を用意し、ファンを熱狂させた。

ハリセンが応援グッズとなる以前の応援スタイル「タオル回し」も復活。ラストのSKYでは、目に涙を浮かべるメンバーもいた。CHALが「過去イチのステージでした」と堂々と口にするライブ。終了後、ステージ裏ではメンバー同士で抱き合い、互いのパフォーマンスをたたえ合った。

◆「特別で幸せな時間」

BsGirlsに憧れてオーディションを受け、活動4年目を迎えたNUIは「尊敬する先輩方と同じステージに立てる日が来るなんて思ってもみませんでした。特別で幸せな時間でした」と目を輝かせて話す。NUIが考えるBsGirlsの一番の魅力はパワフルなパフォーマンス。「先輩に負けないように、もっともっと努力してパワーアップしたパフォーマンスをお見せしたいです。そうすることで、ずっと応援し続けてくれているファンの皆さんに恩返ししていければと思います」。改めて心に決意を宿した。

10周年という新たな歴史の1ページを作ったBsGirls。OGから受け継いだBsGirlsスピリッツを胸に、デビュー時から変わらぬ「Diamond」の輝きを放ち続ける。(西田光)

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