シーズン最終戦で高卒1年目にして初登板を果たし、ルーキーイヤーを終えた山口廉王投手。今シーズンの手応えと課題、さらには食生活について佐藤達也広報が迫りました。
◆プロの打者相手にも勝負ができた
――今シーズン、おつかれさまでした。ルーキーイヤー、どんなシーズンでしたか?
成長もあったんですが、課題がたくさん見つかりました。
シーズン終盤にかけて疲れもあってか、フォームがばらついたり、思ったように投げられなかったり…。自分と向き合う時間をしっかり取っていた分、反省点が結構見つかっています。
――収穫はありましたか?
自分の強みのストレートでプロの打者相手にも勝負ができたことは収穫ですね。
コントロール自体も悪くない結果で終われたので、そこは良かったかなと思っています。
――レギュラーシーズンの最終戦で1軍のマウンドにも上がりました。今振り返ってみて、どうですか?
なんとか投げられた、みたいな感じでしたね。悔いはないのですが、もう少し良い自分を出せるはずでした。
疲れもあったのか、出し切れなかったという思いは少しあります。
――プロの世界に入って「ここが違うな」と感じたことはありましたか?
一年中ずっと野球をするので、疲れ方が全然違っていました。特に終盤はバッターと戦うというより、自分自身と戦ってしまって。自分のやりたいプレーができなかったので、そこがむちゃくちゃ心残りです。
――この秋季練習期間中はどんなことを意識して取り組んでいますか?
まだ実戦の機会があると思うので、疲労をしっかり抜いてもっと真っ直ぐで勝負できるようにしたいと思っています。
フォームを自分の形に戻して、冬の練習の時には良い形で入っていけるように、良い感覚をつかみたいです。
◆投手経験2年半でプロ1軍登板「想像していなかった」
――投手に専念し始めたのは、高校2年生からなんですよね?
はい。2年生の春、メンバーに外れてしまって。もうバッターではやっていけないな、と思ったのがきっかけでした。本当にピッチャーだけの練習をし始めたのはそこからです。
――すごいね…。今プロの舞台で投げていることを自分ではどう思っていますか?
全然想像していなかったです。自分自身はバッターとしてこういう舞台に入るかな、と思っていたので。
まさかピッチャーで、しかもこんなに短い年数でここまで来られるとは正直自分でも思っていなかったです。
びっくりですし、周りの人が一番びっくりしてると思います。
◆「本当にすごいしカッコいい」先輩
――今、チームの中で誰に一番刺激を受けていますか?
ペータさん(山下舜平大投手)かな、と思います。
最後CSで投げるまでコンディションを持っていけるのがすごいですし、やっぱりボールが全っ然違うんです。どの選手とも違う、唯一無二な感じがします。
本当にすごいしカッコいいですよね。
目指すのはやっぱりそこです。パワー系の最上位です。
――結構話したりするんですか?
普通に会話しますね。でも、プレーについては、僕は「自分なりに」というのを大切にするタイプなんで、意見を全部取り入れるというよりは、応用していくことを意識しています。全く一緒というのは無理だし違うと思っています。
――同世代の選手とも仲良いんですか?
はい。仲良いんじゃないかなと思います。でも、みんなクセが強いですよ(笑)。
特にチェン(陳睦衡投手)とは一番一緒にいるかもしれないです。チェンは学年が一つ上で、ちょっと大人っぽい感じがあります。僕がタメ口でしゃべっても「そういう感じでいいよ」みたいな感じで言ってくれます。
◆「料理が得意」こだわりハンバーグも
――この一年ですごく身体も大きくなったと思います。
はい! 身体はほんとデカくなりました。平均球速とかも高校の時とは全然違ってきました。
ここから身体が大人になるにつれて筋肉量も増えていくと思うので、もっといい身体づくりをしたいですね。
――寮での食事もいろいろ意識しているんですか?
はい。結構気を使っています。
寮のごはん、おいしいので食べ過ぎに注意ですけどね。
――ちなみに、料理が得意という話を耳にしたのですが、本当ですか?
はい、ほんとです! 結構できる方だと思います。
――なんで得意なんですか?
僕は高校も実家通いだったんで、自分で料理してお弁当を持って行ったりしていたんです。
お母さんが料理上手というのもあって、おいしいものを作りたいな、食べたいな、から始まって。
いつの間にか家族のご飯も作るようになって、高校の野球部を引退してからはほぼ毎日、僕が作っていました。
――それはすごいね!
自分で食事を作って身体を管理すると楽しいのもありますね。いつの間にかできるようになっていました。
だから、一人暮らしするのも楽しみなんです!
――ちなみに、得意料理は?
うーん、ハンバーグですかね! 仕込み方で自分の味が出たりするんで、楽しいです。
僕、青森にいたんですが、青森には「源たれ」という有名なたれがあるんです。リンゴとニンニクが使われているんですが、僕はそれがすごく好きで。ハンバーグに使っています。
あと、つなぎはあえて入れません。パン粉とかは入れずにお肉だけで焼きますよ。
――すごいこだわり…! 選手プロデュースメニューとしても出したいですね。
はい! 活躍してハンバーグを出せたらいいですね!
◆来シーズン、まずは1勝を
――気が早いけど、来シーズンの目標はありますか?
やっぱり勝利したいですね。まずは1勝。
登板数は多い方がいいけど、明確にせず、投げられるだけ投げたいです。
春のキャンプからしっかりアピールして、上に呼んでもらえるようにやっていきたいですね。
――今、「こんな投手になりたい」というような理想の選手像はありますか?
チームに必要とされたいです。勝たないといけない大事な試合で「廉王なら勝てるから使いたいな」と思ってもらえる投手になりたいです。
――最後に、今シーズン応援してくれたファンの皆さんにメッセージをお願いします。
ファンの皆さんから温かい言葉をかけてもらうことが多くて、すごく力になっていました。
僕らはファンの皆さんがいてくださるからこそ試合ができています。勝利という形でご声援にしっかり応えていきたいです。
――来年、京セラドーム大阪のファンの皆さんの前で、ぜひその気持ちを直接伝えてくださいね!
はい! しっかり頑張ります!
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投手転向からわずか2年半で1軍の舞台に立った山口廉王投手。持ち味のストレートに磨きをかけながら、食にもこだわり自身の身体をつくっています。着実に力をつける19歳右腕に、これからも熱い視線を注いでください。