バッティングの調子を一気に上げているボブ・シーモア選手。4月24日、26日のホームランに加え、29日には逆転タイムリーを放つなど存在感を高めています。現在の心境や日本の野球の印象について、澤村直樹通訳が直撃インタビューしました。
◆エスピノーザ投手からプレゼント
――先週はホームラン2本、昨日は逆転タイムリーと好調だね。なんでだと思う?
本当に良かったよ。ようやくバッティングのタイミングをつかめてきたと感じている。1日1日、少しずつ日本の野球に慣れてきているね。
それに、コーチ陣がこれまでたくさんサポートをしてくれたことも大きい。ようやく良い形で結果に出てきているのだと思う。
――打席では、いつもどんなことを考えているの?
まずは自信を持って挑むことかな。
自分のすべきことがきちんとできて、タイミングが合えば、強い打球になると思っている。
打席に入るたびに「打てる」と思って、集中して打つべきボールを見極めているよ。
――落ち着くことも大事にしているよね。
そうだね! 僕たち外国人選手同士で「Tranquilo(トランキーロ)」という言葉を使っている。スペイン語で「落ち着いて」「冷静にね」という意味だ。エスピノーザをはじめ、スペイン語を話す選手もいるし、アメリカでプレーした選手なら皆この言葉を知っているから、お互いにそう伝え合っているよ。
――1週間で3回もお立ち台に上がったね。どうだった? そろそろ慣れたかな?
いやいや、とても緊張するよ…。バッターボックスよりも緊張する場所だ(笑)。
――24日のヒーローインタビューでは、エスピノーザ投手が「打ってくれたシーモアに何かプレゼントを渡さないと」と言っていたよね。
そう! 実はあの後、すごく良いウイスキーをプレゼントしてもらったんだよ。冗談で「ウイスキーがいいな」と言ったら、翌日ロッカーに入っていたんだ。
彼とは元々「4勝目がかかっているね」と話していたんだよね。正直、僕よりも僕のホームランを喜んでいたよ(笑)。
◆「違う競技」に感じることも
――日本とアメリカの野球の違いは何か感じている?
とてもたくさんの違いがあるね。
例えば、日本の投手はコントロールが良いし、投球動作からリリースまでがすごく速い。
同じ野球なのに、少し違う競技のようにも感じることもあるぐらいだ。
しっかり調整して、自分自身を良い状態に持っていくことが大事だと思っている。
――遠征先でも少し早く球場に入って練習することがあったね。
毎日というわけではないけどね。そういう時間を取るのは好きだし大事だ。
あと、ホームゲームと違ってビジターゲームではあまり時間の余裕がない。落ち着いてちゃんと準備したいと思ったんだ。
――日本の野球は好きかな?
もちろん! 本当に素晴らしい。
僕が日本の野球で一番好きなところは、チームの全員が同じ目標に向かって同じ姿勢で頑張っているように見えるところだ。
バファローズだけでなく、相手チームにおいてもそう感じることが多いんだ。とても良いことだ。
◆日本の清潔さにびっくり
――バファローズへの入団が決まった時、率直にどんな気持ちだった?
とてもワクワクした。素晴らしいチャンスをいただけた。妻や周囲の人ともたくさん話し合った結果、自分にとって一番良いステップアップだと思ったんだ。
日本での生活も順調だし、良い選択をしたと思っている。
――日本に来てカルチャーショックを受けたことは何かある?
驚くことはいっぱいあるよ。皆が礼儀正しくて、相手を尊重しているように感じる。
一番すごいのは清潔さかな。道を歩いていてもゴミが落ちていない! ゴミ箱があまり置かれていないのに道がきれいだなんて不思議だよ。
日本に来てからはもう一生ポイ捨てはしないと誓ったよ。もしポケットから何か落ちたとしても、絶対に拾うようにする!
――大阪の街も気に入った?
素敵な街だ。良い場所がたくさんある。
梅田も道頓堀も自分の住んでいるエリアも、それぞれの場所に違った魅力があっていいね。
妻とも色々な場所に訪れているよ。まだまだ行くところがいっぱいある。
それに、食べ物もどれもおいしい! ついこの間も焼肉を食べたけど、最高だったね。
◆リョウマが本当にすごい!
――バファローズのどんなところが好き?
やはりチームメイトだね。選手皆が僕のことを温かく迎え入れてくれた。これ以上ないぐらいのチームメイトたちだよ。
コーチ陣も最高だ。野球について多くのことを深く知っている。本当に感謝してもしきれない。
通訳は…、まあまあかな(笑)。うそうそ、「スーパートランスレーター」だよ。いつもありがとう。
――どの選手と話すことが多いかな?
いろんな選手と話すけど…、ケイタ(中川圭太選手)やムギ(麦谷祐介選手)、フク(福永奨選手)、ムネ(宗佑磨選手)かな。ムネは英語も結構わかるみたいだからコミュニケーションが取りやすい。
話すのは主にバッティングのことだね。相手投手の持っている球種や投げ方の話。ほかにもいろんな話をするけどね。
――日本語も練習中だね。皆とコミュニケーションを取るために意識していることはある?
身振り手振りで伝えることもあるよ。でも、やっぱり僕らの共通言語は「野球」だ。僕が良いプレーをすることが、良いコミュニケーションに一番つながると思っている。
――一番刺激を受けている選手は誰かな?
リョウマ(西川龍馬選手)が本当にすごい…。これまで見たことがないような打撃をしてしまう選手だ。
ツーストライクに追い込まれていても、普通なら手を出せないような外角のボール球を打ってしまう。ネクストバッターズサークルやダグアウトから見ていて「自分にはあれはできないかも」と思っちゃうね。本当に素晴らしい選手だ。
◆優勝しか考えていない
――理想とする選手像は?
フィリーズにいたライアン・ハワード選手(※)だね。子どもの頃から大好きなんだ。
今の自分と少し似たタイプの選手で、身体が大きくて、どの方向にでも長打を打てるパワーのある選手なんだ。僕もそうなりたい。
でも、日本でもすごいと思っている選手はたくさんいるよ。さっき言ったリョウマみたいにね。
――今シーズンの目標は何かな?
優勝しか考えていない!
チームが優勝できれば、自然と僕の数字や成績もついてくるはずだ。個人ではなく、チームの勝利のために全力で頑張るよ。
――改めてファンに向けてのメッセージをお願いします!
いつも応援ありがとうございます! 球場まで足を運んで声援を送ってもらい、本当に感謝しています。これからも応援よろしくお願いします!
(※ライアン・ハワード選手…2004年から2016年までフィラデルフィア・フィリーズに在籍した一塁手。2005年に新人王、2006年に58本塁打で本塁打王・打点王を獲得。ナ・リーグMVPにも輝いた球界屈指の強打者。)
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日本での日常やチームメイトへの思いを率直な言葉で語ってくれたボブ・シーモア選手でした。バファローズの一員として、日本の野球に向き合いながら日々成長を続けるパワーヒッターに、これからもご注目ください。