BsGravity新曲「道しるべ」 ヴォーカル4人が挑んだ作詞の舞台裏

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 ナイター終わりの京セラドーム大阪。BsGravityのRYUTO、LALA、RENA、HARUの4人は話し合いを続けていた。「この曲、一番誰の心に届けたい?」「主人公はこの時、どんな景色を見ているんだろう」。今夏リリースのニューシングル「Aura」に収録された新曲「道しるべ」は、BsGravityのヴォーカルメンバーが作詞を担った応援バラードだ。選手、そしてファンへエールを届けるため、4人は試行錯誤を重ねながら一つの歌詞を作り上げた。

写真:グラウンドでパフォーマンスするBsGravity

◆ヴォーカル4人だけで挑む一曲

 歌詞作りが始まったのは3月末だった。提案したのは、球団エンターテインメントグループでBsGravityのプロデュースを担う松元唯香。BsGirls時代にCHALとして活動し、自身も作詞を経験してきた。

 今回、松元が考えたのは「ヴォーカル4人だけでステージに立ち、歌だけで魅せる一曲」だった。オフに開催するワンマンライブを見据え、アップテンポなダンスナンバーだけでなく、歌声をじっくり聴かせるバラードを加えることで、ライブ全体の構成に広がりを持たせようとした。
 パフォーマーを入れずにヴォーカル4人だけで披露するオリジナル楽曲は、BsGirls時代を含めても初めてとなった。

写真:サビの軸となるフレーズを手掛けたRYUTO
写真:掛け合いパートに強い思いを込めたLALA

◆今までにない新しい楽曲を

 歌詞作りは、4人それぞれがテーマを持ち寄るところからスタートした。事前の打ち合わせはなかった。それでも「誰かの背中を押したい」「頑張る人を応援する曲にしたい」。目指す方向性は自然と重なっていた。

 描こうとしたのは、「ヒーロー」の姿。輝かしい活躍だけではない。その裏で抱える葛藤や苦しみ、夢を追い続ける中で積み重ねてきた努力に目を向けた。結果が出ずにもがく日々や、悔しさを乗り越える過程もまた、ヒーローへと続く道だと考えた。

 「今までのBsGravityにはない新しい一曲を」。そんな共通の思いを胸に、4人は作詞を進めていった。

写真:ラップパートの歌詞を手掛けたHARU
写真:4人の言葉を一つに編み上げたRENA

◆4人の言葉を一つに

 歌詞はサビから作られた。軸となったのが、RYUTOが考えたフレーズ「越えてきただろう 痛みも力に変えて」だった。
 「苦しい時も前を向き続けるバファローズの選手の姿を思い浮かべて書きました」。RYUTOはそう振り返る。その一節が「道しるべ」全体の方向性を決めた。

 サビの骨格が固まると、4人はそれぞれのパートの作詞に取り掛かった。
 LALAがこだわったのは、「ねえ、気づいてる?」から始まる掛け合いのパートだった。聴き手へと語りかけるこのフレーズは、作り始めた当初から最後まで変わらなかった。作詞に挑戦すると決まった時から「みんなで掛け合うパートを入れたい」と考えていたというLALA。「このパートを作れたことが一番嬉しかったです」。そう思い入れを語る。

 HARUは自ら希望してラップパートを担当した。つまずきや停滞を描く1番に対し、ラップが入る2番では少しずつ前を向いていく流れを表現した。「1番で描かれた苦しさを受け止めながら、次の一歩につながる言葉を選びました。このパートには、曲全体で伝えたいこともぎゅっと詰まっています」。韻やリズムを意識しながら言葉を練り上げた。

 それぞれが書いた歌詞を一つにまとめるのは、簡単ではなかった。「みんな伝えたいことがあるので、持ち寄ることでぐちゃぐちゃになってしまうこともありました」とRYUTO。
 それを最後に一つの物語へと編み上げる役割を担ったのがRENAだった。「みんなの伝えたい思いを汲み取った上で、重なっている表現をまとめたり、視点の違いを整理したりしました。細かい言葉の言い回しや、漢字とひらがなの使い分けにもこだわりました」。聴く人の心に自然に響く曲へと仕上げていった。

写真:BsGravityのヴォーカルメンバーと松元(中央)

◆「感情を乗せて歌えた」

 話し合いは試合前後の球場だけでなく、遠征先でも続いた。集まれない時には電話で意見を交わし、歌詞は少しずつ形になっていった。

 RYUTOは語る。「メンバー同士で意見が衝突することもありました。でも、その時間も含めて、すべてが大切な経験になりました」
 本音をぶつけ合ったからこそ、互いへの理解も深まった。「グループとしての絆もぐっと深まったと思います」

 約1カ月にわたる制作期間を経て、「道しるべ」は完成した。

 4人の創作をそばで見守っていた松元は、完成した楽曲に強い手応えを感じていた。
 「私も過去に『HERO』という楽曲を作詞しましたが、同じ『ヒーロー』というテーマでも、4人が描いた視点や世界観は全く違っていました。4人だからこそ生まれた特別な楽曲になったと思います」
 互いをリスペクトしながら議論を重ね、歌詞を作り上げた“後輩たち”の姿に目を細めた。

 完成した歌詞を手に臨んだレコーディングでは、メンバーそれぞれに特別な思いがこみ上げたという。
 「自分たちで書いた詞。言葉の重みを感じながら、いつも以上に感情を乗せて歌えました」
 「みんなの歌声を聴いていたら、一緒に作り上げてきた時間も思い出して、涙が出そうになりました」
 4人は一つひとつの言葉に思いを込めて、旋律へと乗せた。

 「道しるべ」は7月29日リリース。4人が言葉を重ねながら紡いだ思いが、この一曲の中に息づいている。(西田光)

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