宮崎牛にぴったりのタレを開発! ファンクラブグッズ担当者の遊び心と挑戦心

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昨年のバファローズオフィシャルファンクラブ「BsCLUB」会員限定アイテムで「リュックか宮崎牛のどちらか1点」という不思議な選択肢を生み出してファンを悩ませた、球団事業推進部ファンクラブグループ。その中心メンバーの阿部優輝が、今年は宮崎牛のお届けにとどまらず、宮崎牛専用のオリジナルタレ開発にまで手を伸ばした。6月ごろから時間をかけて完成させたタレへの自信は格別で「宮崎牛のうまみを最大限まで際立たせられます。ごはんがむちゃくちゃ進みますよ」と誇らしげに話す。ラベルには大阪府の地産食材である認定「大阪産(おおさかもん)」のブランドロゴも。阿部仕込みの“究極の一品”に迫った。

(写真:2022年ファンクラブ会員限定アイテムの宮崎牛モモスライス)

◆予想以上に好評

キャンプ地特産品の宮崎牛がファンクラブ会員限定アイテムとなったのは、昨夏、阿部が何気なくお中元サイトを見ていたことがきっかけだった。おいしそうな牛肉セットにくぎ付けになり「これは、いけるかも」。一瞬のひらめきでスタートした宮崎牛モモスライス。蓋を開けてみればリュックとほぼ同数の申込数となり、予想を上回る好評ぶりだった。

(写真:2023年ファンクラブ会員限定アイテムの宮崎牛肩ロース・ウデ焼肉)

一躍人気アイテムに上り詰めた宮崎牛。だが、ここで昨年と全く同じ内容にしないのが阿部の仕事魂だ。「前回はすき焼きに合うモモスライスでしたが、お肉といったらやっぱり焼肉。脂がしっかりと乗った肩ロースと、濃い赤身が特徴のウデをチョイスしました」と、球団職員とは思えぬ、牛肉を調べ尽くしたコメント。それでも「あともう一捻りするために何か付けたくて」。悩んだ末に「最後の最後まで宮崎牛をおいしく食べてもらえる提案をしたい」とタレを付ける決断に至った。

◆3社で開発

真っ先に相談したのは、バファローズのスポンサーであり、選手寮へのタレの提供も行っている老舗大衆食堂「赤丸食堂」(大阪市港区)。赤丸食堂の仕入れ先である、大阪唯一のしょうゆ醸造メーカー・大醤株式会社(大阪府堺市)を交え、3社でタレを開発していく運びとなった。
阿部が特にこだわったのは「宮崎牛ならではの脂の甘みを生かすこと」。既製のタレをベースに、甘みや辛みの足し算と引き算を繰り返して味を調整。最終的には、砂糖の分量を極力抑え、風味豊かな新生しょうゆの香りを生かした味に仕上げた。「あっさりめのタレにすることで、宮崎牛の甘味がぐっと引き立ち、絶妙なハーモニーを生み出します」と満足気の阿部。さらに、大醤株式会社の新生しょうゆを原材料とすることで、大阪の球団らしく「大阪産」マークをラベルに掲出することができた。

(写真:完成した「いぶし銀」)

◆クリーンナップにつなぐタレ

タレの名前にもこだわりがある。「野球っぽい言葉と、タレを結び付けるのはすごく大変で…、悩みましたよ」と眉間にしわを寄せて振り返る阿部。ファンクラブグループと赤丸食堂で数多くの候補を出して命名に挑んだ。選球眼をもじった「選牛眼」が有力候補に挙がる中、最終的に投票で決定したのは「いぶし銀」。阿部は「タレは主役でなく脇役。クリーンナップというお肉につなぐ二番打者のイメージです。ぴったりの名前になりました」と納得の表情で頷く。赤丸食堂の提案で、ラベルにはバントをする選手のシルエットが。いぶし銀の名前にふさわしい、渋めで和風テイストのデザインに仕上がった。

◆他球団がしないことを

宮崎牛といぶし銀のお届けは3月以降だが、阿部は「お召し上がりいただいた時のファンの皆さんの反応が楽しみです」と今から期待で胸を膨らませている。反響次第では、BsSHOPでの販売やポイント交換商品化もにらんでいるという余念のなさ。今後のファンクラブグッズの展開についても「他球団がやったことのないグッズを先駆けてやっていきたい」と意欲を語った。ファンクラブグループの遊び心と挑戦心から生まれた汗と涙の結晶。お届けまで、しばし待タレよ。(西田光)

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