
7月11日現在、HP(ホールドポイント)リーグトップタイに立つルイス・ペルドモ投手。穏やかな笑顔と力強いピッチングでブルペンを支える右腕の素顔に、澤村直樹通訳が迫りました。

◆ワカが良いリードをしてくれる
――現在HPは23。リーグトップタイでタイトルも狙える位置にいるね。安定したパフォーマンスが続いている理由は何だと思う?
オフシーズンも母国のドミニカ共和国で一生懸命準備したんだ。月曜日から土曜日まで毎日しっかり練習して、ウェイトにも取り組んだ。
それもあってか、特に今シーズンは毎試合しっかり集中できている。常にストライクゾーンで勝負して攻め込むことができている。ちゃんと自分のやるべきことに取り組めていると思う。
――日本での野球は3年目になるけど、日本の野球とメジャーの野球、やっぱり違いは感じる?
うん、少し違うね。野手のタイプが違うんだ。特に、NPBの野手はみんな足が速い。MLBではランナーが出てもバッターにある程度集中できたんだけど、NPBだとかなり警戒しないといけない。気を張るね。
一方で、配球面はあまり変わらないんだ。ワカ(若月健矢選手)がとても良いリードをしてくれている。ワカは僕のことをすごくよく分かってくれていて、僕自身もワカのことをよく分かっているつもりだ。だからうまくいくんだと思う。
――練習の時はいつもニコニコ笑顔だけど、マウンドに上がると一変して闘志がみなぎった表情になるね。気持ちを切り替えるためのルーティンは何かある?
ルーティンは特にないかな。マウンドに立つと自然と気持ちが切り替わってそうなるんだよ。
僕は野球を愛していて、野球を楽しむ気持ちが一番大事だと思っている。だから、悪い時も良い時も、特に練習中はあえて楽しむことを意識しているんだ。
でも、やる時には一生懸命やらないと。試合が始まったらバッターに集中。これが僕のスタイルだ。

◆母国の味を思い出す「味噌ラーメン」
――日本で3年目のシーズンを迎えてるね。今の日本での暮らしはどう?
ベリーグッド! 最高だよ。自分だけでなく、妻も娘も日本での生活をとても楽しんでいる。“第二の故郷”と言えるよ、本当に。
――オフシーズンのアンケートでも「ちょっとした自慢」は「日本という国にいること」と答えていたね。
そうだよ。だって、日本の全てが好きなんだ。人も、文化も、ごはんも、全部だ。
なるべく長く日本に住んでプレーしたいと思っているよ。
――日本で食べたごはんで、特にお気に入りはある?
たくさんある! ラーメン、ヤキニク、スシ、ヤキトリ…。
ヤキニクは日本で初めて食べた時においしすぎて感動した。マリーンズでプレーしていた時は、遠征に行くとほぼ毎日ヤキニクを食べていたよ。北海道遠征の時はスシ食べていたかな。いろんな場所でおいしいごはんを食べているよ。
――ラーメンは味噌味が好きなんだよね。
そう!味噌ラーメンが一番だ。
ドミニカ共和国の郷土料理「サンコーチョ」を思い出すんだ。お肉や野菜を煮込んだスープなんだけど、味噌味のスープはそれと少し似ている。だから味噌系の味は好きだね。
――自分でも料理するんだよね。どんな料理を作るの?
チャーハンやステーキ、それに、ドミニカ共和国の家庭料理も作るよ。お皿の上にライスと豆を乗せて、その上にチキンを置く。混ぜながら食べたりするんだ。
――ご家族に作った時「おいしい」と言ってもらえる?
うーん、一回だけ!(笑)
僕が作ると1時間ぐらいかかっちゃうけど、奥さんが料理すれば30分ぐらいで済むんだ…。だから奥さんが大体作ってくれるよ。

◆これまでで一番のバースデー
――バファローズのどんなところが好き?
首脳陣、スタッフ、チームメイト、みんなすごく良い人がそろっているところがバファローズの魅力だ。
特にチームメイトは全員良い選手で、それぞれが良い仕事をしていると思う。本当に素晴らしいチームだ。
それに、ホームの京セラドーム大阪も好きだよ。グラウンドが広く感じるし、投げやすい。
――チームメイトみんなと仲がいいよね。特に誰とよく話してる?
みんな大好きだけど、挙げるとしたら…、ヤマオカ(山岡泰輔投手)、コタ(古田島成龍投手)、サイキ(才木海翔投手)、エスピノーザ、フクナガ(福永奨選手)。
彼らとは、良いことも悪いこともなんでも話せるんだ。良い関係を築けていると思う。
――バファローズで一番印象に残っている思い出は何かな?
今年のバースデーパーティだね! ベリーグッド! ピッチャーの皆が集まって準備してくれて、僕のためにスペイン語でバースデーソングを歌ってくれた。
今までで一番うれしいバースデーだったよ。その時の「BPB DX」のムービーは、奥さんも大切にしてくれているよ。

◆もう一度タイトルを
――理想とする「投手像」はある?
同じドミニカ共和国出身のペドロ・マルティネス。今まで見た中で一番いいピッチャーだった。全ての球種が良いんだけど、特にストレートとチェンジアップが素晴らしい。尊敬する。ドミニカ共和国出身の選手ならみんな、彼の名前を口にすると思う。
もちろん日本にも素晴らしい選手がたくさんいるよ。バファローズなら、ヤマシタ(山下舜平大投手)、ミヤギ(宮城大弥投手)、ソタニ(曽谷龍平投手)。みんなすごい選手だ。
――頑張るために一番モチベーションになっていることは何?
家族の存在だね。僕の奥さんは僕のピッチングが良くないと泣いてしまうこともあるんだ。そういう姿は見たくないからね。家族と共に頑張っているよ。
――今シーズンの目標を教えて。
チームとしてはもちろん優勝なんだけど、個人的にはタイトル。2023年の最優秀中継ぎ投手賞をもう一度獲りたいと思っている。
数字はあまり意識しないで、とにかくチームを勝たせるために集中して投げ続けていくつもりだ。
――最後に、バファローズファンの皆さんにメッセージをお願いします。
いつも応援してくれて本当にありがとう。ファンの皆さんのためにも、これからも一生懸命頑張ってプレーしていきます。これからも応援よろしくお願いします!
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日本、チーム、家族、そしてファンへの深い愛を語ったペルドモ投手でした。“第二の故郷”でタイトル奪取に挑む右腕の活躍に、これからもご注目ください。