選手のカッコよさ「メガネ」で再発見 オリ姫デービジュアル撮影の舞台裏

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 「上目遣いでお願いします!」「いいですね!じゃあ今度は目線をこっちへ」「フレームに指を添えてもらえますか」。フラッシュが瞬く中、撮影スタッフからのリクエストが次々と飛ぶ。選手たちは時に照れ笑いを浮かべながら、カメラの前でポーズを決めていく。今年のオリメン投票のテーマは「メガネ男子」。トップ10入りした選手たちがそれぞれ似合うメガネをかけてビジュアル撮影に挑んだ。SNS上では「みんな似合いすぎ!」「推しがカッコよすぎて心臓がもたん」などと注目を集めた。細部まで作り込まれたビジュアル撮影の舞台裏に迫った。

「#B_CASUAL」と「#B_MODE」の二つのパターンで展開された
「MAISON ORIHIME」のビジュアル

◆ファッション性と知性

 今回のオリメン投票のテーマは「メガネ男子」。昨シーズンのオリ姫デーが幕を下ろしたその直後から、検討は始まっていた。球団広報宣伝部の後藤俊一部長は「オリ姫デービジュアルの狙いの一つは、ユニフォーム姿とはまた違ったカッコよさを皆さんに“再発見”していただくことです」と語る。メガネはかけるだけで顔の印象を大きく変え、スタイリングの幅を広げる。選手のファッション性や知性、さらにそこから意外な一面も引き出せると考えた。

 選手のキャラクターを際立たせるために生まれたのは、架空のセレクトショップ「MAISON ORIHIME」(メゾンオリ姫)。そこで働く「クリエイト集団」のメンバーは、全員メガネスタイルという設定だ。

 モノトーンを基調に洗練されたスタイルを極める「#B_MODE」(ビーモード)と、色鮮やかなポップスタイルで魅力を放つ「#B_CASUAL」(ビーカジュアル)。「アイドル」、「ミュージシャン」をテーマにした過去のオリ姫デー同様、選手の個性に合わせて二つの軸からビジュアルを展開することにした。

写真:ワインレッドのチェック柄ロングジャケットを着こなす山崎颯一郎投手
写真:迷彩柄のジャケットに身を包んだ若月健矢選手

◆アメリカの古着屋からミリタリーショップまで

 スタイリングについては、10選手一人一人のキャラクターはもちろん、10人そろった時に「クリエイト集団」として完成するように構想が練られた。

 山崎颯一郎投手にはワインレッドのチェック、太田椋選手にはピンクとホワイト、若月健矢選手には迷彩柄。主役となる廣岡大志選手と宮城大弥投手には、他の選手よりも際立つ差し色や柄を重ねた。服の色彩やテイストなど、全体のバランスが細やかに計算されている。

 ファッションアイテムは、アメリカの古着屋から、韓国のファッションストア、沖縄のミリタリーショップまでさまざまな経路から集められた。メガネは、フレームの形や色が異なるものを各選手2、3種類用意し、実際にかけた時に似合うものが選ばれた。メガネ姿を引き立てるため、手元や顔まわりで自然となじみやすい、マグカップや本、小型カメラなどの雑貨も数多く用意された。

写真:「オリメン王者」にふさわしい存在感を放った廣岡大志選手

◆オリメン王者の存在感

 迎えた撮影本番。廣岡選手は「オリメン王者」にふさわしい存在感を放った。白シャツ、ブラックのゆったりめのブルゾンに、ダークトーンのタータンチェックパンツ。辛口ながら洗練されたファッションスタイルに身を包んだ。

 今回のビジュアルの肝となるのが、メガネ姿が映えるクローズアップのカット。撮影現場では、選手の顔と表情に迫るポーズがふんだんにリクエストされた。メガネを外してフレームを甘噛みするポーズをお願いされた廣岡選手は「こんなん普通せえへんでしょ!」と吹き出しながらツッコミ。ただ、レンズを向けられれば凛々しい表情に切り替えて応じていた。撮影が終わると、頭をかきながらパソコンを覗き込み、恥ずかしそうに撮影データをチェックしていた。

写真:撮影スタッフたちから絶賛された宗佑磨選手

◆宗選手「期待以上のモデルぶり」

 撮影スタッフたちが絶賛したのが、宗佑磨選手だった。デザイナーの一人はこう話す。「宗選手は脚が長くて顔が小さく、スタイルが抜群に良い。その上、撮影時の表情も豊かで、魅せ方がひときわ輝いています」

 毎年オリメンの常連でありながら、今年の「オリ髭投票」でも堂々のトップに輝いた宗選手。どんなイメージにも合わせられる唯一無二の個性から、今回の「MAISON ORIHIME」においてもキーピースとなった。

 最終的に決まったのは、白地にブルーのインクをにじませたようなおしゃれ上級者向けのセットアップスタイル。宗選手は「僕だけ一人、なんか違ってないですか?」。笑いまじりにもらしたが、カメラの前では無邪気な笑顔もクールな表情も全力でこなしてみせた。

 「今回も期待以上のモデルぶり」と、スタッフたちの撮影にも熱が入った。 本人も「絶対に僕が一番メガネが似合っていると思います!」と茶目っ気たっぷりに話した。

写真:「ハリソン西川」姿を披露した西川龍馬選手
写真:引き締まった表情で撮影に挑む中川圭太選手

◆マイメガネを持参で

 自身のメガネやサングラスを携えて撮影に臨む選手も多くいた。西川龍馬選手は「Bs Fan-Festa2024」でのショートムービー「24年B組 優勝先生」で装着したサングラスを持参し、話題を集めた「ハリソン西川」姿を披露した。

 山崎颯一郎投手や中川圭太選手、「本物のメガネ男子」と称された若月健矢選手も、マイメガネやマイサングラスを持ち込み、普段の自分に近い姿での撮影も楽しんでいた。

写真:ポーズを決める曽谷龍平投手

◆「グラウンドで躍動する姿を」

 初のオリメンランクインとなった曽谷龍平投手はレザー調の黒いジャンパーを身にまとい、「普段は着ない服だったのですが、こういう路線もアリかなと思えました」と、自身の新たな一面に出会えた様子だった。

 後藤部長はこう語る。「メガネ姿から垣間見えた一面を脳裏に浮かべながら、彼らがグラウンドで躍動するカッコいい姿をぜひその目で確かめていただきたいです」

 オリ姫デーは6月27日スタート。当日は、オリメン選手たちによる装飾やフォトスポットで京セラドーム大阪が彩られる。オリジナルメニューやグッズの販売をはじめ、「カメラ女子」や「グラウンド開放」などの人気イベントも予定している。
さぁ、「MAISON ORIHIME」の世界へ。皆さまのご来店を心よりお待ちしております。
(西田光)

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