
6月13日の読売ジャイアンツ戦でパ・リーグ新人最速初勝利を挙げたルーキーの寺西成騎投手。歓喜の瞬間から一夜明け、佐藤達也広報が心境やこれからについて話を聞きました。

◆初勝利「素直に嬉しい」
――初勝利おめでとうございます!一夜明けて、今どんな気持ちですか?
すごくほっとしています。プロ野球生活がまたスタートしたな、という感じです。早くまた投げたいなと思っています。
――周りの方からの反響はありましたか?
地元を含めてお世話になった方々がたくさん連絡してくださいました。応援してもらっているんだな、とすごくありがたく感じました。
――初勝利後、チームの反応で嬉しかったことは何かありますか?
先輩の投手陣の皆さんがインスタグラムで、ストーリーをメンションしてくれました。それが嬉しくて興奮しました。
――昨日の夜は眠れましたか?
はい!しっかり眠れました。
――パ・リーグでは今シーズンのルーキー初勝利一番乗りということもあり、いろんなメディアで取り上げられていますね。どう思っていますか?
そうだったとは全然知らなくて。びっくりしました。素直に嬉しいです!
――ヒーローインタビューは緊張しました?
いや、緊張というよりもめちゃくちゃ気持ち良かったです。自分がしゃべるだけで、あんなに盛り上がってくれるなんて。もう、とても嬉しかったです。
――初勝利で、自分へのご褒美は何か考えていますか?
いえ、特には考えてないです。普段から結構好きなように生きているので(笑)。

◆背中を押されたマウンドでの励まし
――ご自身では何点のピッチングでしたか?
勝てたのですが…、うーん、70点ですかね。もっともっと余裕を持ちたいですし、初回とかもテンパらないでスムーズに入っていけたらなと思っています。
――初回のノーアウト満塁のピンチの時、マウンドでどんな声をかけられましたか?
宗さん(宗佑磨選手)をはじめ、頓宮さん(頓宮裕真選手)、若月さん(若月健矢選手)、皆さんが「打たれてもいいから、どんどん投げていこう」って背中を押してくれました。すごく勇気を持って投げられました。
――前回の5月の初先発の時と比べて成長を感じた部分はありましたか?
いや~、前回は初回のピンチを抑えられたのに、今回は抑えられなかったんで…。ただ、前回3回で降板したところを5回まで投げ切れました。次はもっと信頼を得て、6回、7回と投げられるようにしたいですね。
――プロに入ってここは通用するんじゃないかな、など手応えを感じている部分ってありますか?
アマチュア時代と比べるとストライクゾーンが狭くなったと思うのですが、コントロールにそこまで苦しむことなくゾーンで勝負はできているのかな、とは思っています。

◆小学生の頃に全国準優勝
――ちょっとした自慢は「バスケができること」らしいですが、少しやってたんですか?
お父さんがバスケの指導者で、元々僕も小さい頃からお父さんについて行ってバスケをやっていました。今でもバスケゲームばっかりしていますし、バスケ好きです。
――いつぐらいからバスケでなく野球をやり始めたんですか?
小学3年生の頃にチームに入ってやり始めました。三つ年上の兄が野球を始めて、当然僕も見に行くようになって、知らず知らずのうちにキャッチボールをし始めて…、いつの間にか野球をしていました。
――小学生のころの一番の思い出は「少年野球で神宮球場で試合したこと」とのこと。当時どこのポジションだったんですか?
ピッチャーです!ずーっとピッチャーなんです。
――その頃からですか!ちなみに、その大会での順位はどうだったんですか?
全国大会だったんですけど…、一応準優勝まで行きました。
――すごいじゃないですか! エリートですね。
いやいや、お恥ずかしいです。小学生の頃が全盛期かもしれません(笑)
――いやいや!全盛期はこれからですよ!
そうですね! これからです! 頑張ります。
――「バファローズ高校」のイベントも開催されていました。星稜高校にいた時に、一番学びになったことってどんなことですか?
高校時代、僕はエースになれませんでしたし、甲子園には4回出てるんですがほとんど投げていないんです。
でも、もしエースとして投げられていたら、悔しさをバネに頑張る気持ちとか、跳ね返してやろうという反骨心が生まれなかったと思っています。
どん底じゃないですけどそれを知ったおかげで、這い上がる気持ちを植え付けられたと思っています。
――同じ星稜高校卒業で松井秀喜さんをリスペクトしている人に挙げています。どういうところを尊敬していますか?
松井さんとは、小学校、中学校、高校と母校が一緒なんです。小さい頃から松井さんの本ばっかり見てきました。
ジャイアンツ寮ですごいバットを振って努力されていたというのも聞きました。それに、何よりやっぱり野球がとことん好きな方だとうかがっています。暇さえあれば野球、みたいに。僕も野球を愛して、野球だけに集中してやっていきたいなと思っています。

◆先発ローテに食い込みたい
――これから、どういうピッチングをしたいと思っていますか?
一軍のローテーションの方、すごい方ばかりですけど、なんとか先発として食い込んでいきたいです。安定感のあるピッチングをして、チームを勝たせて信頼を得ていきたいです。
――理想とする投手像みたいなものはありますか?
今のローテの方々の良いところ全てを兼ね備えたピッチャーになりたいです。
――初勝利という大きな目標を成し遂げましたが、次の目標は何ですか?
開幕当初からシーズン2勝を掲げています。まずはもう1勝して、その後は一つでも多く勝てるように、チャンスをつかんでいきたいと思います。
――最後にファンの皆さんへのメッセージをお願いします。
もう一度、京セラでファンの皆さんの前で勝ち投手となって、ヒーローインタビューに呼んでいただけるように精いっぱい頑張ります。応援よろしくお願いいたします。
***
初勝利にも浮かれることなく、すでに次の1勝を見据える寺西成騎投手でした。これから“全盛期”を迎える若き右腕の成長にご期待ください。