オリックス・バファローズは9月21日、大阪の街を明るくすることに貢献した地元のヒーローに始球式を行っていただく「なにわのHERO特別始球式」を京セラドーム大阪で実施しました。第7回の登板者は「第三十四回伊藤園お~いお茶新俳句大賞」で最高位の文部科学大臣賞を獲得した10歳の小林航君。投球の前には「球場に集まった大観衆を見て」をテーマに一句披露し、スタンドから大きな拍手を浴びました。
◆192万句の中から最高位の賞
応募総数約192万句の中から文部科学大臣賞に選ばれた作品は「初日の出 とても小さい 駅で見た」。昨年の元旦、阪堺電車の「我孫子道(あびこみち)」駅でお父さんと一緒に初日の出を見た思い出からつくったそうです。小学校の国語の授業でつくった一句が栄冠に輝き「まさか自分の俳句が選ばれるなんて思わなかったです」と振り返ります。
「空の上 ひいじいちゃんに 会いたいな」。「ふとんから さいてるたんぽぽ 見つけたよ」。受賞をきっかけに五七五のリズムが好きになり、航君ならではの視点を生かした俳句を時々詠んでいるそうです。今回の始球式にあたって、久々に一句つくってくれることになりました。
◆背番号「575」
この日、生まれて初めて球場に訪れたという航君。毎年、夏の甲子園をテレビで観るのを楽しみにしていて、6年前に「金農旋風」を巻き起こした吉田輝星投手が大好きです。テレビで観ていた投手と同じマウンドに立つことに「心臓が飛び出るんじゃないかと思います」と、緊張の表情を見せていました。
マウンドに立つ航君の背番号は「575」。スタンドからの注目を一身に浴びる中、マイクを握りしめて一句詠みます。「満員の スタンド見ながら 第一球」。盛大な拍手に背中を押されるように、元気いっぱいの全力投球を見せてくれました。
◆「テレビより スケール大きい スタジアム」
始球式を終えて航君は「俳句の表彰式の時と同じくらい緊張しました。ちゃんと投げられてよかった」と安堵の表情。興奮冷めやらぬ中、もう一句詠んでくれました。「テレビより スケール大きい スタジアム」。スタンドの熱気、グラウンドで躍動する選手たちを見て目を輝かせた航君。「YouTubeや写真で見ていたより100倍ぐらいスケールが大きくてびっくりしました。また野球を観に来たいです」。晴れやかな表情で話しました。(西田光)
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